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ボルダリング壁
vockの木製ホールドと黒板の壁
2009年に屋根の下にオーバーハングのボルダリ
ング壁を新設した。
ポツポツと買い集めたvock製作の木製ホールド
一つ一つ手作りだから形も違う、表面に掘られ
たフリクションデザインもその度、違うパター
ンで触っているとそれらの摩擦感が楽しい。
それら木のホールドを黒板塗装した壁に付けて
セクションは白墨で書いて行くアイデア。
ちょっといい感じ。
黒板塗装の濃緑とvockのホールドの柿渋仕上げ
がいいコントラストだ。
物忘れが激しいので書き留めておくにも壁一面
が黒板だと大変助かる。
ゆくゆくは屋根上に張ったテントに天井のハッ
チまで伝って登って行ければいいと思って作っ
てもらった壁、だから天井のハッチの穴に続い
ている。
壁はなんとか完成。
黒板も具合がいい。
念願のホールドを全部出してつけてみる。
ヨーするに壁、完成への要素は揃った。
しかし、セクションの設定をしてもらわなくて
は面白くない、ただ登るならどうにでもなる。
壁は出来てもシロートが一人ではどうにもなん
ないまま1年放置。誰かに助けてもらわなくて
は、そして難題を設定してもらわなくてはいけ
ない。
以前、此処に金峰山からの帰り道、寄ってくれ
た山男の磯川くんと磯川くんを連れて来た友人
に再度、小川山帰りに寄ってほしいと頼んでい
たら、ある日2人揃って来てくれた、さすが山
男たち。(2枚目の写真)
彼らが来たその晩、その場に居合わせた老若男
女、皆で壁で遊びながらも彼らは約束通り4ル
ートを作っていってくれた......やったね
ついに壁、完成。
しかし、此処にルートを残した一週間後の2010
年の末に磯川くんは雪崩に巻き込まれて亡くな
ってしまった。だから暫くは壁に触れなかった。
磯川くんが書き残した白墨の文字が消えてしま
うからと思って........ だけど思い直した。
彼のセクションはクリアしないと彼と遊んだ事
にならない.....
寒さが収まり、冬の間、テントの影になって遊
べなかった壁が使える時期になった。
そして3月の震災、ホールド製作のvockさんも
被災していたことが判った、そして避難生活を
しているとのブログ記事、だからホールドの製
作は今は出来ない状態、彼の悔しさは想像を越
える。
たった1年の間に、それぞれの身の上に起きた
沢山の事、それらの事に思いを馳せながら、そ
れでもやっと、この壁にさわってみる気になっ
た。
そして、磯川くんの残した白墨の白い文字も少
し薄くなってきた。
(小林)
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