WALK

SNOW SHOE

MSR社製
Denali Classic Snowshoe

製造社、年代、など不明
ニューヨークの古道具屋で購入


スノーシューの最新も伝統的な奴もわからないまま
友人にもらったMSR社製デナリという名前のスノー
シュー。
毎週通う、ここ川上村は大して雪は降らない地区。
なのにまるで雪国に引っ越すような気構えでデッキ
で使う用品選択に没頭していた日々、そんな毎日に
スノーシューの存在は寒い山暮しのイメージを強力
に固定するキラーアイテムだった。

奥深い"人との付き合いも無い様な山暮し" の決定
的な装備品でもあるスノーシュー。
誰も訪ねて来ない厳しい冬山の景色を頭の中に思い
浮かべると、いつでもスノーシューを履いて薪を運
ぶ自分の姿がアル。絶対的な静寂の暮しにも欠かせ
ない小道具。でも、しかし場所を定めた秩父山塊に
は待てど暮せど2007年も8年も9年も10年も雪は大し
て積もる事もなく、スノーシューは友人の手から僕
の手に渡っただけで雪の地平線を歩く事もなく、道
具小屋の壁に何年も只、吊るされていただけ。

そして迎えた2011年
遂に降った、しかも結構な量の雪。
およそ40cmはあろうかという積雪に靴をゴム長から
ソレルに履き替えるのもモドカシく、カリブーを履
いた上から装着したデナリ.........。(この商品ばかり
のセンテンスは興味のない人が読んだら何の事か訳
わからんだろうなぁ)
念願のスノーシュー・トレック。
目の前には人跡未踏な雪原が何処迄も続く。
パッコン、パッコンと歩きはじめる。
クラスト状になった雪原をパッコン、パッコン
歩きやすい、ただそれだけ.........。
面白くもなんともない、ただクラスト状になった雪
上も歩ける、ただそれだけ。

パッコン、パッコン、パッコン、パッコン .........。

なんだかなぁ、とりあえず嬉しくって履いてみたけ
ど近所を歩き回っても、張り合いがないねぇ
行く場所がないと盛り上がらない、当たり前だ。
山奥の雪に覆われたレタス畑をどこまで歩いたって
面白いわけがない。
英語を話したくても、その前に日本語で話したい事
がなければ英語が喋れるからって話す事なんか無い
当たり前。
つまり、目的地があってはじめてスノーシューは必
要で歩く事は目的ではなく方法だから方法だけでい
つまでも盛り上がってはいられない、スノーシュー
は方法の1つ。しかし今すぐ行きたい場所はない目
の前の雪原だけがただ広がっている。

何を書いているのか、判らなくなって来た。
でも、壁に掛けてあるスノーシューを見てると
山気分に満たされる......。

現代のMSR製とニューヨークの古道具屋で見つけた
プラスティック製のオールドシェイプなスタイルの
2つのスノーシュー。どちらも履いて歩き出せば誰
だって気分は"人との付き合いも無い様な冬山暮し" 
の住民になれる。

ここ標高1500mあたりはもう溶けちゃっているから
シーズン・ラストウォークにシラビソ小屋にでも
どっちかを履いて行ってみよう。

(小林)

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