KIKUCHI CITY, KUMAMOTO

07/25/'09

今年の夏、福岡で個展を終えた僕は家族と
そのまま3週間ほど九州旅行をしようと考えていた。
その話を個展の主催の方に話したら2冊の本を
頂いた。
一つは九州の湧き水の本で、もうひとつは
九州の巨樹の本。

著者は北九州生まれのカメラマンの方だった。
樹種、樹齢、樹高、撮影日や地図などの必要情報は
もちろん、穏やかだが熱のこもった本人の文章を
読むとただの樹木ガイドブックとは一線を画した
「何か」を感じた。
僕はその「何か」を感じた時には動き出さずには
いられない性分。
ファッションでもカルチャーでもこの「何か」を
見つけたときは正直、血湧き肉踊ります。

さっそく僕達はその本を頼りに一本の巨樹を見に
行った。
観光客は一人もいない、いつもの調子だったら
間違いなく素通りのある村の丘の上。
どこからエントリーしていいのかわからないので
近くの酒屋さんにたずねる。
「おお。東京から来たの?この前は横浜から若い子が
一人で来てテント張って泊まっていったぞ。」
「マジスか?強者がいるなぁ。」

おじさんに場所を聞いてエントリー。
石の階段を上ると案外すぐに大きな木が目の前に
現れた。
そこには雨がシトシトと降る静かな時間があって、
その中にズイィンと笑っちゃうくらいの大きな
大きな木があった。
根元の土が流されて根上していてその中には
大人5人くらいは入れそう。
「すげぇ!」
息子も興奮している。

偉大な建築物やダイナミックな架け橋を見る時
とは違う感覚が僕をおそった。
建物は長い間見ていると施工者の意図や意志を
何となく感じ取る事が出来るけど、なぜか巨樹
にはそれを感じ取る事が出来ない。
でも、よく考えればそれはそうだ。
だって巨樹の本質は見てもらう為に立ってる訳
ではないから。
むしろ、見られているのは僕達のほうかも
しれないなぁ。
癖になりそうな不思議な感覚。
このはじめての一本目で僕は新しい旅のスタイル
を感じ、大きな木を眺めることは僕の
ライフスタイルとなっていく。

本間

村吉の天神さま

樹種:イチイガシ
樹齢:不明
樹高:20m
幹周り:7・2m

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